送電線事業部
パワーライン 送電線のしごと

鉄塔基礎工事

基礎工事は、鉄塔を支える基幹部分を作る工程です。
災害に強い鉄塔を作るには、この基礎を強固にする必要があります。
地中深くに鉄塔鋼材を配置するため、まずは縦穴を掘ります。
基本は重機を使っての作業ですが、狭くて重機が入らない場合は、人力で作業をすることもあります。
掘削した穴に、鉄塔基礎鋼材を据付けます。
基礎鋼材の傾き、高さ、位置ずれなど、すべてをミリメートル単位で調整します。
据付けが終わったら、コンクリートを打設し、基礎鋼材を固定します。
コンクリートで固定が終わった後は、掘った縦穴を埋め戻して完成です。

鉄塔組立工事

基礎が出来上がった後は、地上で鉄塔鋼材を仮組みし、その後クレーンを使って組み立てていきます。
クレーンで吊った鉄塔鋼材は、塔上でラインマンが受け取り、ボルトで締めて組み立てます。頂部まで組み立てたら、電線を支持するアームを取り付けます。
高い鉄塔の上での作業は、ボルト1本落しただけでも災害につながるため、常に細心の注意を払いながら行います。

架線工事

組立が終わった鉄塔に、電気が流れる電線を張ります。
ヘリコプター・ドローンなどを使って鉄塔~鉄塔間に小さなロープを渡します。その後、ロープの種類や太さを変えて引き換え、最後に電線を引きます。
電線を引き終えたら、設計で決められたたるみになるよう、張力を調整しながら電線を両端の碍子(がいし)に取り付けます。碍子は電気を通さない性質があり、電線から鉄塔へ電気が流れるのを防ぎます。
碍子を飛び越えて電気をつなぐジャンパ線(電線)を接続するほか、電線同士が接触し傷つくのを防止するため、一定の間隔おきにスペーサーを取り付けます。

保守作業

送電線は、常に雨や風、雪、雷、地震などの自然現象から影響を受けるため、定期的に状態を確認し、必要がある場合は鉄塔鋼材等の取替えを行います。
傷みが大きくなった場合は、電線の張り替え、鉄塔の建替えといった工事が発生する場合もあります。
また、送電線が正しく機能するよう、日々の点検作業も行っています。
たとえば、送電線周辺に異常がないかを確認する巡視を定期的に行っています。
更に、鉄塔にカラスやカササギが巣を作る際、停電が発生しないよう、巣づくり期間中パトロールを行ったり、巣作りを防止する仕掛けを取り付けたりもします。